BL漫画とは?ボーイズラブの魅力や専門用語を徹底解説!

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本記事では、BL(ボーイズラブ)漫画をあまり読んだことがない人に向けて、BL漫画の魅力を徹底解説します!

  • BLって聞いたことがあるけど、どんなところが面白いのかわからない
  • ネットで調べてもBL漫画がいっぱいありすぎて、どの作品から読めばいいのかわからない
  • 「受け」「攻め」といったBL漫画特有の専門用語の意味を知りたい

こんなことでお悩みのあなたに向けて、いちBL愛好家の筆者がわかりやすく解説していきます。全国のBL初心者さんは、ぜひ参考にしてください!

BL漫画とは男性同士の恋愛を描いた作品ジャンル

BL漫画とは、男性キャラクター同士の恋愛を描いた作品のことです。BL漫画の内容は作品によって多種多様ですが、基本的に性的描写が含まれることが多いです(もちろん、エロなしのBL漫画もあります)。

BLは主に女性ファンが多く、BLが好きな女性は「腐女子」と呼ばれています。一方で、男性のBLファンは「腐男子」と呼ばれることがあります。

BL漫画にもいくつか種類がある

ひとことでBL漫画といっても、実はいくつかの種類があります。本記事では、「商業BL」と「版権BL」を例にあげて、簡潔にわかりやすく紹介していきます。

まず、「商業BL」と「版権BL」の特徴を以下の表にまとめました。

特徴商業BL版権BL
販売元出版社個人の作家さん、サークル
購入できる場所一般的な本屋さん
(電子書籍版の配信もある)
即売会イベントや専門店
作品内容一次創作がメイン(完全オリジナルのBL作品)二次創作
年齢制限作品によって異なる性描写があると年齢制限あり

商業BLというのは、出版社から販売されているBL漫画のことで、作家さんによる完全オリジナル作品となっています。昨今のBLブームで、アニメ化、ドラマ化、映画化している商業BLも多数あり、タイトルの例をあげると、「同級生」「抱かれたい男1位に脅されています。」「ギヴン」をはじめ、関ジャニの大倉さんの出演・実写映画化で話題になった「窮鼠はチーズの夢を見る」も、いわゆる商業BL漫画のひとつです。

一方で、版権BLとは、ひとことでいうと、人気の原作漫画をもとにした二次創作の作品です。例えば、「鬼滅の刃」や「銀魂」など、原作のキャラクターや舞台設定をもとにした作品内容になっていて、原作では絶対に描かれることがないようなキャラクターたちの絡みが描かれています。いってしまえば、自分の推しキャラで様々な妄想を叶えることができるのが版権BL、二次創作の特徴です。

ただし、版権BLは、商業BLとは違って、一般的な本屋さんでは置いていません。即売会イベントや専門店などで購入することになります。

BL漫画のアニメ化やドラマ・実写映画化がアツい

先ほどの「窮鼠はチーズの夢を見る」の例でも触れたように、いま、BL漫画のメディア化が業界全体で盛り上がっています。映像化だけでなく、人気タイトルはドラマCDにも展開されています。またオリジナルのBLストーリーを題材にしたスマホゲームなども数多く展開されています。

特に人気BL漫画のアニメ化は、声優さんの声(魂)が作品に吹き込まれることになるので、界隈では大きな話題となります。アニメ化することで原作を認知する人も多いです。個人的には、「抱かれたい男1位に脅されています。」通称だかいちは、アニメ化がきっかけで知りました。ネットを見ると、だかいちがきっかけでBL沼に足を踏み入れたというファンも多く、やはり、BL漫画のアニメ化(映像化)は、非腐女子を腐女子化させてしまうほど、大きなインパクトを持っているといえます。

BL漫画の歴史

一般的に「BL(ボーイズラブ)」という言葉が使われてきたのは1990年代後半頃からといわれていますが、実はもっと前からBLの歴史は始まっています。

男性キャラクター同士の恋愛は1970年代頃から少女漫画のなかで描かれるようになり、1978年には、『COMIC JUN』という雑誌が創刊され、いわゆる美少年同士の性的な表現を含む漫画が世に出ることとなりました。

1980年代になると、「やおい」と呼ばれる、人気の少年漫画などを題材にした男性キャラクター同士の恋愛物語を描く二次創作が人気を呼びました。その後、出版社からも商業誌として男性同士の恋愛をテーマにした作品が発売されるようになり、時を経て今に至ります。

ちなみに、やおいとは「やまなし、おちなし、いみなし」の意味で、それぞれの言葉の頭文字をとったもの。作品からあえてストーリーのヤマやオチをなくすことで、いつまでも好きなキャラクターとのわちゃわちゃを楽しもうよ!!という意味がこめられています。

知っておくと便利なBL用語

攻め

「攻め」とは、男女カップルでいう男性側の人のことを指します。

BL界隈では「○○攻め」という言葉で、ジャンルやキャラクターの名前を前において、話の内容を表現することが多いです。

またBL界隈では、攻めと受けのカップリングを「A×B」と表記します。一般的に、攻めは「A」の方になります。「攻め」を左側に書くことから、攻めのことを「左」「左向き」と呼ぶこともあります。また別名として、「タチ」「トップ」と呼ぶこともあります。

また、作品中で他のすべてのキャラクターに対して「攻め」になることを「総攻め」ともいいます。

受け

「受け」は、「攻め」とは逆の立ち位置になります。男女カップルでいう女性側の人のことを指します。

ということは、BL漫画でいう受け役の人は女性的でかわいい感じのキャラクターが多いの?と疑問に思うかもしれませんが、実はBL漫画によっては「ヤンキーだけど受け」「ガチムチだけど受け」というように無数の素晴らしいギャップが存在します。

カップリングを「A×B」と表記する場合、一般的に、受けは「B」の方になります。「受け」を右側に書くことから、受けのことを「右」「右向き」と呼ぶこともあります。また、別名として、受けのことを「ネコ」「ボトム」と呼ぶこともあります。

また、作品中でどのキャラクターに対しても「受け」になることを「総受け」といいます。

リバ

リバとは、「リバーシブル」あるいは「リバース」の略称で、攻めと受けを固定しないことを意味する言葉です。もっと簡単にいうと、例えば、AとBのカップリングのベッドシーンにおいて、お互いに状況に応じて、攻め役にもなれるし、受け役にもなれる、という意味です。

基本的に二次創作の界隈においては、「A×B」、「B×A」、そして「AとBのリバ」はそれぞれ別のカップリングとして扱われます。「A×B」が好きな人と「B×A」が好きな人との間には深い溝があり、基本的に​​相容れません。またリバが苦手な人もいますし、リバ可の人もいます。

このへんのところは本当に個人の趣味嗜好による部分なので、それだけ幅広い沼があるということですね。

ノンケ

ノンケとは、同性愛者から見た異性愛者のことです。つまり、恋愛対象は異性の人のことを表します。

「ノンケ=non気」という意味で、要するに「その気(同性愛の気)がない人」ということです。

BL漫画では、よくその作品の内容を表す言葉として、「ノンケ攻め」「ノンケ受け」といったキーワードが使われます。

わんこ

好きな人に対して、従順で尽くすタイプのキャラクターのことです。総じて犬のように懐いていく様子がかわいいです。

例えば、「わんこ攻め」「わんこ受け」といった言葉がよく使われます。

下克上(げこくじょう)

一般的には、社会的地位が下位の人が上位の人を乗り越えて勝つことを意味する言葉ですが、BL作品においては、社会的地位だけでなく年齢なども含めて、下の人が攻め役を、上の人が受け役を担っていることを表します。

例えば、部下(攻め役)×上司(受け役)をテーマにしたBL漫画は、下克上要素のあるBL作品といえます。

メリバ

メリバとは、メリーバッドエンドの略語で、ストーリーの結末が読み手によってバッドエンドともハッピーエンドともとらえられるエンディング、またはその作風のことを表します。(メリーは、愉快な・陽気なという意味)

関連語として、ハッピーエンドのことをハピエンと略すことも多いです。

オメガバース

オメガバースとは、男性・女性という生物学的な性のほかに、α(アルファ)、β(ベータ)、Ω(オメガ)という3つの性があるという特殊設定のこと、もしくはその作品ジャンルのことを指します。

もともとは海外の二次創作が発祥とされていますが、日本のBL漫画でも作者によって様々なアレンジがされていて、人気ジャンルの一つとなっています。どちらかといとファンタジー要素が強いジャンルで、比較的ディープな世界観が楽しめるジャンルといえます。

初心者におすすめのBL漫画

ここからは、「BL漫画に興味が出てきたけど、結局なにから読んでいいのかわからない!」という人のために、はじめてでも読みやすいエロ少なめのBL漫画を厳選して紹介していきます。

ネタバレなしで、作品のあらすじなどを中心に紹介していくので、ぜひ気になったBL漫画があれば、実際に手にとって読んでみてください!

ひだまりが聴こえる

文乃ゆき先生による「ひだまりが聴こえる」は、実写映画化もされた人気BL漫画です。
男子学生の太一が、難聴の物静かな杉原航平に昼に弁当をもらったことから、二人は男子同士でありながらお互い魅かれあっていくという、ボーイズラブを描いたアニメの映画化です。

舞台は大学のキャンパス。佐川太一はある日の昼間、キャンパスの芝の木陰にいる杉原航平と出会いました。彼は物静かなタイプで、お昼を買うお金がない太一に対して、そっと自分のお弁当を渡しました。

その後、太一は耳が不自由な航平のために、講義の内容をノートに残す「ノートテイク」をすることになり、そこから2人の関係は近づいていきます。

航平は中学生の頃、突発性難聴という病気になり、それ以来、人との関わりに臆病になっていましたが、太一と出会ったことで少しずつ変わっていきます。

2人は徐々に距離を近づけていきながら、すれ違いもありつつ、でもお互いを思う気持ち故にぶつかることもあり……読んでいて涙がでるシーンもありますが、それはなんとなく温かい涙です。

全体的にやさしい雰囲気が漂う作風で、絵もとても綺麗で読みやすいです。BL初心者の人に特におすすめしたい作品です。

窓辺の君

こちらは雲田先生によるBL短編集で、全部で7組のカップルのお話が収録された作品です。

話によってはハピエンあり、切なさあり、かわいさあり、ギャグあり、バッドエンドあり……と、文字通り、まさに1度で7度おいしい作品となっています。短編集なのでひとつの物語はそこまで長くはないですが、短いながらも深みのある物語が展開されていて、どのストーリーも、読んだ後に続きが気になってしまうような余韻が残ります。

表題作は、30代半ばの内向的な大学助手が、窓辺から見える美しい少年に恋をした……しかし、話してみると、中身は明るくおバカな性格の大学生で!?という物語。外見と中身のギャップにとまどう先生ですが、学生は先生に興味津々で距離が近づいていく、というのがおおまかなあらすじです。

全体的にどこかレトロな雰囲気で、心に残る作品です。様々なキャラクターやストーリーが楽しめる短編集なので、さくっとBL漫画を読んでみたい人におすすめです。

海辺のエトランゼ

こちらは「心が洗われるようなボーイズラブ」というキャッチコピーがついているくらい、読み終わった後にすっと心が浄化されるようなBL漫画です。

この漫画を一言で表現すると、「年下フリーターとゲイ小説家の切なさあふれる恋物語」です。作中では、ゲイやレズ、血のつながらない家族などがテーマとしてありますが、全体的にポジティブなキャラクターが多く、読んでいて重くなりません。

作風的にはほんわかしているイメージで、登場キャラクターたちの進展もゆっくりです。

作画も綺麗でとても読みやすいです。特に背景が細部まで綺麗で、こだわりを感じます。読んでいて、ふわっと海風を感じるようなシーンもあり、本当に美しい漫画だなぁと息がこぼれます。日常的な描写が多く、ゆっくり読み進めたくなる作品です。

過激なBL作品を求めている人には向いていないかもしれませんが、落ち着いた雰囲気で日常感のあるソフトなBL漫画を読みたい人は、ぜひ手にとってみてください。

本記事では、BL漫画のいろはから、よく使われるBL用語、そして、BL初心者さんにおすすめのほぼエロなしのBL漫画を厳選して紹介しました。

恋コミの読み放題でも随時最新のBL漫画が更新されているので、そちらもあわせてぜひチェックしてみてください!

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