シュノーケルはいらない【合本版】のレビュー

深い感情が揺れ動く物語

この書籍に出会えて本当に良かったです。速水圭と燈乃まほろの関係は、一見するとただのスクールカーストの犠牲者と支配者という構図に思えますが、その裏にはもっと複雑で深い感情が絡み合っています。まほろの態度に最初は不理解だった圭が、次第に自分の中で芽生える感情に戸惑い、そして二人の関係が揺れ動く様子がとてもリアルに描かれています。描き下ろしのおまけ漫画もとても良かったです。実際の学校生活の厳しさを描写しつつも、それを超えてもなお持つ希望や感情に心を打たれました。

期待通りの内容でした

このシリーズを一気に読める合本版は本当に素晴らしいです。描き下ろしのおまけ漫画も入っているので、ファンにはたまらない一冊だと思います。二人の関係が進展していく過程がとても丁寧に描かれており、特にまほろの一途な姿勢が胸を打ちました。しかし、所々で少し展開が早く感じる部分もありました。ストーリーは面白いですが、もう少しじっくりと二人の心理描写を進めて欲しかったです。でも全体的には満足です。次の展開がとても気になります。

複雑な心理描写が見事

『シュノーケルはいらない』は、学校生活の中での複雑な人間関係や感情を非常にリアルにそして繊細に描いています。速水圭と燈乃まほろ、二人のキャラクターが持つ背景や心の動きがとても詳しく描写されており、読者としてもその感情の波に飲み込まれました。特にまほろの無垢な姿勢が、読んでいてとても印象深かったです。しかし、圭の裏切りや二人の歪んだ関係が進展していく中で、次第にその愛情の行方に引き込まれていきました。合本版であるため、ボリュームもあり、じっくりと楽しめる一冊です。

いじめと愛情のせつない境界線

この物語に引き込まれました。いじめの問題から逸脱し、ねじれたロマンスに発展する様子がリアルで、人間の感情の複雑さを見事に表していると思います。そして、「何も言わずに受け入れる」というまほろの心情が切なく、彼女に感情移入してしまいました。合本版なのでお得に全部読めたのも大きなプラスです。

屋上から始まる二人の歪な関係

速水圭と燈乃まほろの屋上でのやり取りは、とてもドラマチックでした。いじめという重いテーマを扱いながらも、2人の関係性の変化が丁寧に描かれていて、読み進めるうちに彼の覚悟も見受けられるようになりました。絵もきれいで、読みやすかったです。ただ、若干展開が予測できてしまう部分もあったので、そこはもう少し驚きがほしかったかな。

心に迫るが予想通りの展開

この漫画で描かれている燈乃まほろの心情は非常に共感できる部分が多く、精神的な葛藤がリアルで心に迫りました。しかし、物語の展開がやや単調で予想できてしまう局面が散見されたため、サプライズがあればもっと良かったかもしれません。全体通しては楽しめましたが、そこは期待ハズレでした。