むかしのはなしのレビュー

心に響く物語性

この本には素晴らしいストーリーが含まれています。二十七歳という年齢で続く家系の死の謎が、ある意味でリアルな怖さを与えてくれました。「ロケットの思い出」は切なくも愛おしい話で、ペットを愛する人なら共感せずにはいられない内容でした。ただ、物語の短さが物足りなく感じ、もう少し世界観に浸りたかったです。

静かに心に寄り添う短編集

「むかしのはなし（１）」は、二つの物語からなる短編集であり、一読してとても心に残る作品でした。特に「ラブレス」の話は、運命と恐怖に翻弄される主人公の感情がひしひしと伝わってきます。一方、「ロケットの思い出」では温かみのある回想が印象的で、私自身のペットとの思い出が蘇ってきました。読む人の心に静かに寄り添うストーリーは、何度読んでも新しい発見があると思います。

深みのある物語の語り

「むかしのはなし（１）」を読んで、作者の想像力と語り口に引き込まれました。ラブレスの物語は祖先の因縁と自分の運命を受け入れる難しさを描き、ロケットの思い出は幼い日の懐かしさを喚起させる力があります。短いながらも深みのある物語で、読後感が非常に良かったです。