犬木加奈子の血まみれ絵本のレビュー

大人のためのダークな絵本

昔、こういう絵本があったら絶対読みたくなかったが、大人になった今では新鮮な震えを覚えた。犬木加奈子氏の色彩豊かでグロテスクな作風は興味深い。特に「たのしいクリスマス」は一筋縄ではいかない結末にゾクッとなる。ただ、グロさが苦手な人にはおすすめできない。

色彩が映す深い恐怖

犬木加奈子の集大成といえる作品集がこちら。個人的に心惹かれるのはその生々しい描写とストーリーテリングの巧妙さ。特に「おともだち」は読後感が強烈でしばらく忘れられない。オールカラーの頁が恐怖をさらにリアルに感じさせる。ただ、絵本としての読み手を選ぶかもしれないので注意が必要。

カラフルながら深い闇を感じる

「犬木加奈子の血まみれ絵本」は、そのタイトルに偽りなしの怖さを提供してくれる。各話が短めでサクッと読めるのがいい。オールカラーで描かれるシーンの一つ一つが、恐怖を際立たせている。若干独特の雰囲気すぎて好みは分かれるだろうが、ホラー好きにはたまらない一冊。