風と剣のレビュー

違和感と共感の狭間で

この巻も前作に劣らぬ緊迫感で読ませる。宮本の天狗の落とし児という設定には若干の違和感があるが、ストーリーは高校剣道の熱い闘いをしっかり描いていて、登場人物たちの心情に共感できる。ただ、英知高の準優勝は予測できた展開だったので、そこは評価を少し下げざるを得ない。

宮本の心理が光る第三弾

「風と剣3」の宮本のキャラクターは魅力的。彼が示す強さと没我の境地は感動的だった。ただ、決勝戦での展開はやや予想外で、個人的にはもう一ひねり欲しかったかもしれない。それでも物語全体の流れとしては満足できる出来。各キャラクターの心理描写には定評があり、それがこのシリーズの魅力を引き立てている。

宮本の運命と剣の輝き

「風と剣3」は息をのむ戦いと成長物語を描いた衝撃の秋。宮本の逆転勝利は読み手の心を強く打ち、彼の背負う過去と運命に深く引き込まれた。日高という強敵を前にした決勝戦の急展開には心を奪われる。作者の紡ぐ言葉が剣戟の熱を伝えてくれ、準優勝という結末に感慨深い。