いつも心に暗闇を【完全版】のレビュー

ジリジリと迫る恐怖が心地良い

期待を込めて読み始めたけれど、中盤までに少しだれてしまう部分があった。しかし、クライマックスに向けての展開は読者をぐいぐいと物語に引き込んでいく力がある。内藤と隆臣の心理描写がリアルで、ライブシーンの緊張感がビシビシと伝わってきた。物語全体を通してジリジリとした恐怖を感じた。

深淵を覗くサスペンスフルな物語

この作品は非日常的なサスペンスが味わえる一冊です。内藤龍也というキャラクターの神秘的な魅力と、隆臣の音楽への純粋な情熱がしっかりと描かれています。ただ、時折風刺が利いており、現代音楽業界への鋭い視点も感じられました。サスペンス好きには是非オススメしたい。

魅力的なキャラクター、予想しやすい展開

音楽業界の暗部を題材にしたサスペンスとして期待していましたが、正直なところ、物語のテンポが合わなかったです。キャラクターは魅力的で、ストーリーの概念はとても好きですが、全体の流れが私には予測しやすく感じました。それでも、画力は本当に素晴らしく、イラストレーションを楽しめたのは救いでした。

日常に潜む紙一重の恐怖が魅力的！

「いつも心に暗闇を【完全版】」を手に取ったのは、前作「邪悪のジャック」のファンとしてでした。この完全版では日常に潜む恐怖が一層強調されており、続きが気になる展開は驚くほど巧みです。登場するロック界の有名人と新人アーティストのダイナミクスと未知の恐怖は、一気読み必至です。