カミングアウトクライシスのレビュー

期待していたほどではなかった

カミングアウトクライシス１を手に取ったのは、LGBTQ+のテーマが気になったからでした。最初の自己紹介シーンのインパクトはすごかったのですが、その後の展開が少し平坦に感じました。佐山晴貴のキャラクター自体は魅力的で応援したくなりますが、物語のテンポがもう少し早かったらもっと楽しめたかもしれません。また、秋塚成のキャラクターも好きですが、彼の背景についてもう少し深掘りが欲しかったです。全体的には悪くない作品ですが、自分の期待値が高すぎたのかもしれません。

心温まる物語に感動しました

カミングアウトクライシス１は、転校生の佐山晴貴がゲイであることを自己紹介の場でカミングアウトするところから始まります。普段、LGBTQ+に関する本をたくさん読んでいるわけではありませんが、この作品は心に響きました。彼の勇気ある行動が周囲にもたらす影響が、リアルで胸に沁みます。そして、彼を支える秋塚成の無愛想だけど優しいキャラクターがとても魅力的でした。不器用だけど心温まるエピソードが盛りだくさんで、一気に読み進めてしまいました。恋愛模様も繊細に描かれていて、思わず涙が出そうになりました。

読み応えのある短編集

この作品は、佐山晴貴のカミングアウトから始まる短編集で、それぞれのエピソードが緻密に描かれていて非常に楽しめました。特に、一見無愛想な秋塚成が晴貴を支える姿が心打たれます。短いながらも、各キャラクターの感情がしっかりと描かれていて、読者としてその場にいるかのような臨場感を味わうことができました。ストーリーの結末もしっかりしており、続編があればぜひ読みたいと思わせる内容です。現実のLGBTQ+に関する問題を考えさせられるきっかけにもなりました。