オークションハウス 大合本のレビュー

ラフで面白い美術界の闇

美術に興味があるのでこの本には期待していました。リュウ・ソーゲンの復讐劇という設定が非常に興味深く、彼が各地で対決する様子には引き込まれました。特に、美術作品についての詳細な解説や背景が組み込まれていて、知識欲も満たされます。ただ、巻末のエロティックなイラストは少し蛇足に感じましたが、それに目をつぶれば良作だと思います。

驚きと興奮の連続

リュウ・ソーゲンというキャラクターがとても魅力的でした。美術鑑定家としての知識の深さや武術の腕前が描かれていて、彼のバックグラウンドには深い悲しみがあり、その復讐劇も非常に心を引かれました。特に美術界の「闇」と対決するシーンはハラハラドキドキで、中だるみすることなく最後まで読めました。一方で、エロティックなイラストは少し過剰に感じましたが、それも一興といえるかもしれません。

期待外れ

ストーリーもキャラクターも魅力的だと思って読んでみましたが、ちょっと期待外れでした。リュウ・ソーゲンのキャラクター設定は確かに面白いんですが、展開がかなり予測できてしまい、驚きが少なかったです。また、エロティックなイラストはストーリーの雰囲気に合っていないと感じました。特にミステリーやサスペンスが好きな人が求めるものではないかもしれません。