愛人　デラックス版のレビュー

期待していたが少し物足りない

『愛人』は大人向けのストーリーとして期待していましたが、いくつかの点で物足りなさを感じました。特に『密告』や『心理ゲーム』あたりのエピソードでは、スリル感が足りず、もっと緊張感が欲しかったところです。しかし、それでも木村武と若狭真理の関係の描写は魅力的で、心を揺さぶられる場面が多かった。デラックス版ということで1、2巻が一度に読めるのは良かったですが、もう少し深みが欲しかったです。絵は綺麗ですが、ストーリーの展開にもう一工夫欲しかった。

甘く切ない物語に心打たれる

このデラックス版を手に取ったのは、柳沢きみおの名前を信じたから。予想通り、一気に引き込まれました。平凡なサラリーマンの木村武が美人女子大生の真理と出会い、それが彼の人生をどう変えるのか、その過程が実に巧妙に描かれています。特に『家族』や『別離』のエピソードは、心を締め付けるような感情に共感しました。漫画という形式ながらも、これだけ深い人間ドラマが描かれているのは流石です。ちょっと大人向けで、感情移入しやすい素晴らしい作品です。

大人の恋愛を描く一級品のドラマ

柳沢きみおの『愛人』は、まさに大人のための恋愛ドラマとして一級品です。平凡なサラリーマン、木村武と美人女子大生、若狭真理の関係には、青春の甘酸っぱさと同時に、割り切れない大人の感情が絡み合っています。特に『心理ゲーム』や『明日なき愛』など、タイトルからもわかるように、各エピソードは一つひとつが濃密なストーリーを紡ぎます。ストーリーの展開が速くて飽きずに読めるので、一気読みしてしまいました。欲望と愛情の間で揺れる登場人物たちの心理描写が絶妙です。