3.11東日本大震災　君と見た風景のレビュー

リアルな体験が胸に響く一冊

東日本大震災を実際に経験した著者の視点から描かれたこの本は、本当に心に残ります。特に妊娠中の奥さんと幼い娘を守るために奮闘する父親の姿が感動的でした。物資不足や原発事故、不安が絶えない日々の中で、家族がどのようにして乗り越えていったのかが丁寧に描かれています。すべてがフィクションではないため、読みながらその場に立ち会っているかのような臨場感がありました。コミック形式という点も、重いテーマを読みやすくしています。

ストレス下の家族愛

災害の恐怖がどれだけ大きいかを改めて実感しました。この本は、震災直後の日々を詳細に描写し、家族がどのように一丸となって困難を乗り越えたかを教えてくれます。特に物資不足という現実問題が、読者にとって非常に現実感を伴います。中でも強い余震に対する不安や、原発事故の恐怖がリアルに伝わってきました。しかし、家族の絆や人々のユーモアがこの本を温かくしています。個人的にはもう少し深く掘り下げても良かったかもしれません。