10歳のホームレス（分冊版）のレビュー

深く考えさせられる一冊

この本を読みながら、社会の格差や貧困について深く考えさせられました。主人公の結が、母親を信じながらも過酷な環境で生きていく姿に胸を打たれました。ただ、その重たいテーマと辛い描写が多いので、読むのが辛くなる瞬間もありました。結の運命がどんどん悪化していくのを見るのは本当に心が痛みました。でも、それと同時にこの問題をもっと知ってほしい、考えてほしいという作者の気持ちも伝わってきました。現実の問題をしっかりと描いている点は評価したいです。

期待していたほどではなかった

タイトルからもっと感動的なストーリーを期待していましたが、実際には非常に重い内容でした。もちろん、児童養護施設や貧困についての現実を描くことは重要ですが、全体的に暗くて読みづらかったです。主人公の結の悲惨な状況には同情しますが、彼女の行動や選択が理解しにくく、感情移入が難しかったです。このテーマに関する別の視点や解決策がもう少し描かれていれば、もっと満足できたかもしれません。重いテーマに耐えられる方には良いかもしれませんが、私には合いませんでした。

社会の闇を描き出す力作

この本は非常に重たいテーマを取り扱っており、読み進めるのが辛い部分もありました。でも、その重たさは現実の問題を反映しています。結が直面する状況は胸が痛むことばかりで、彼女の感じる孤独や絶望感が非常にリアルに描かれています。施設内での彼女の生活や、周囲の人々との関係も細かく描かれており、それだけに彼女の行動が理解できないわけではないのですが、全体的にもう少し希望が欲しかったと思いました。現実の問題を正面から捉えたい人には一読の価値があります。