SNSカースト ～アイツより“いいね”が欲しい～のレビュー

現実感とエンターテイメントのバランスが微妙

篠崎麗子が西島のスマホを持ち帰るという展開は、多少現実離れしているものの、この非現実的な状況がドラマチックなストーリー展開を引き立てています。SNSの世界での「いいね」に縛られる姿は共感できる部分も多いです。ただ、やや過剰な描写や極端な人間関係の部分が個人的には引っかかりました。この点が改善されれば、もっと評価が高い作品になったと思います。

同時に刺激的で考えさせられる

SNSの世界での競争と承認欲求のリアルな描写に、何度も心を揺さぶられました。篠崎麗子のシンプルな日常から突然の変化への展開が非常にスムーズで、一気に読み進めることができました。ただ、一部キャラクターの行動が極端に感じる場面もあり、そこが評価を下げた理由です。全体としては、現代社会のSNSの闇を映し出すと同時に、自分の行動や価値観を再考させてくれる一冊でした。

現実逃避として楽しめるストーリー

SNSの隠された面をテーマにしたこの本は、読んでいてエンターテイメント性が高く、時間を忘れて楽しめました。篠崎麗子のキャラクターの変化や、彼女が西島になりすます過程は非常に興味深いものでした。しかし、いくつかの状況設定やキャラクターの行動が不自然に感じる場面もあり、それが少し残念でした。それでも、現実の厳しさから逃避するには十分に楽しめる内容でした。