まんがグリム童話　デカメロン伝説のレビュー

新鮮で挑発的

『デカメロン伝説』は、まさに搾取と解放、善と悪の相反する側面を見事に描き出しています。このシリーズの中では、女性の苦悩と戦いの姿が特に印象的でした。内容がかなり重く、現代でも議論を呼びそうなテーマですが、それだからこそ深い考察が生まれるのかもしれません。絵も精巧で美麗、特に感情表現が豊かでした。ただ、内容がきつい部分もあるので、そういった点が大丈夫な方におすすめです。

現代にも通じるエンタメ作品

まんがグリム童話『デカメロン伝説』は、まさに衝撃的でした。女性嫌悪の性奴隷を救う男装の麗人や修道女の奇妙なエピソードが700年後に甦ってくるとは！この作品はただの好色文学だとは言い切れません。そこには深いテーマと現代に通じるメッセージが含まれているのです。ある意味、女性の強さや独立性を描いている部分もあり、読みごたえがあります。絵も繊細でキャラクターに感情移入しやすく、最後まで一気に読んでしまいました。

読み応えのある一冊

この『デカメロン伝説』は正直に言うと、内容が好き嫌いわかれるかもしれません。私はとても興味深いと感じました。性奴隷を救う男装の女性や、修道女たちの奔放な生活…これまでの「童話」とはまったく異なる視点から描かれており、時には驚くほどリアルな描写もあります。しかし、その中に人間の本質や歴史が垣間見えるのが魅力的。でも、少々描写がきついので、苦手な方にはおすすめしかねます。