瓜子姫 ～ちょいブス女の高望み～のレビュー

読みやすいが、ちょっと物足りない

全体的に読みやすい作品ですが、私には少し物足りなかったです。特に、『瓜子姫』のような話は、もっと感情の深みを掘り下げてほしかったです。しかし、『人魚の肉』は感動しました。愛する人々との別離を描いた部分は心に刺さりました。他の短編も、それなりに面白かったですが、短い中で伝えようとするメッセージが少し分かりづらいところがありました。エンターテインメントとしては悪くないですが、深く考えさせられる内容を期待する人には少し不向きかもしれません。

深く感じるところがあまりなかったかも

期待していた割には、あまり深く感じるところがなかったかもしれません。キャラクターたちの行動や動機が表面的に感じられ、物語に真に共感できなかった部分がありました。例えば、地味な娘が廓の主人に心を奪われる様子はちょっと急展開すぎるような感じがしました。ただ、それでも各短編にはそれぞれの魅力があり、特に『みにくいアヒルの子たち』では嫉妬による自己破壊の過程が興味深かったです。次回作に期待したいと思います。

期待以上の心理ドラマ

この本は、人間の欲望が巧みに描かれていて非常に読み応えがありました。瓜子姫のキャラクターが現実的で感情移入しやすかったです。地味な娘が一瞬で変わるきっかけとなる場面が特に印象的でした。収録されている他の短編も、それぞれ独特の魅力がありますが、個人的には『人魚の肉』が特に心に残りました。欲望が美しさに変わり、その果てに訪れる絶望がよく描かれていました。美に翻弄される女たちの物語が好きな方におすすめします。