コックリさんが通るのレビュー

都会の闇を描き出す異色の作品

『コックリさんが通る 1』は、単なるホラーやファンタジーにとどまらず、都会の裏側を鋭く描いた作品です。大森狸花子が転校初日にクラスメイトからキスを奪われ、その後さらに深い闇に巻き込まれていく展開は圧巻です。著者の奥瀬サキが緻密に調査し、リアルに描かれた新宿の風景はまさに当時の風景を彷彿とさせます。物語も終始緊張感があり、読み進める手が止まりませんでした。再スキャンされた紙原稿のデータ化も見事で、ビジュアル的にも非常に満足。初めて読む人も、懐かしさを感じる人も楽しめるはず。

激しいアクションと予期せぬ展開

奥瀬サキの『コックリさんが通る 1』はまさに衝撃作でした。田舎からやって来た主人公が都会の闇にどっぷりと巻き込まれていくストーリーは緊張感が絶えず、そして予期せぬ展開に驚かされる連続でした。特に大塚狐子にキスされるシーンからの急展開は心臓が高鳴るほどでした。新宿の風景描写も緻密でリアリティがあり、まるでその場に自分がいるかのような錯覚を覚えます。ただ、全体的に重いテーマが多く、読むのに少し時間がかかったのが唯一の欠点です。それでも、読み応えのある力作です。