機械の心のレビュー

操作が簡単で、エンジョイした短編集！

個人的にロボットをテーマにした作品が好きなので『機械の心』を手に取りましたが、大満足の一冊でした。宗田律の設定や仕事への適応能力の描写も面白かったのですが、何よりも「愛する」ことを学ぼうとする過程が心に響きました。台湾在住の俊英作家と聞いて翻訳がどうか心配でしたが、問題なく内容に没入できました。短編集としても各話のテンポが良く、読むのが楽しかったです。この作家の次作も楽しみです。

期待はずれの部分も

本のコンセプトは素晴らしいのですが、個人的には期待しすぎたかもしれません。宗田律というロボットの描写はリアルで、夢中になる部分も多かったのですが、もう少し深掘りして欲しかった感が否めません。「愛」をテーマにしているものの、結局はどこか表面的に感じてしまいました。ただし、短編集という形式は新鮮で、他の作品も楽しめました。総合的にはまずまずですが、もっと深い人間ドキュメントを期待していました。

新たな視点からのロボットとの共生

『機械の心』は、ロボットがどこまで人間に近づけるかを考えさせられる一冊です。宗田律という仕事系ロボットが登場し、人間顔負けの仕事をこなす描写は見事でした。しかしながら、「愛する」ことを知らないロボットの葛藤も描かれており、読んでいて深く考えさせられました。性能テストという裏ストーリーもスリリングでした。短編集として、各作品の完成度も高く、どれも読み応えがありました。特にラストは胸を突かれました。