花盗人の褥～略奪われた舞姫のレビュー

異文化が絡む刺激的なロマンス

「花盗人の褥」は驚くべき展開を含んだ物語です。主人公の琴音が芸者見習いとしての日々を送っていた中で異国人のネイサンに拐かされる展開にハラハラしました。明治時代の日本を舞台にした情緒もあって、読んでいてとても新鮮でしたが、時折、登場人物の心情が浅く感じる部分もありました。それでも、この時代背景での異文化ロマンスは魅力的です。

明治の色香と禁断の恋

「花盗人の褥～略奪われた舞姫」は、一気読みできるほど入り込むことのできる作品でした。明治時代の雰囲気が色濃く、琴音とネイサンの許されざる関係に興味をそそられます。しかし、展開がやや予測可能であり物語の奥行きに欠けるような気がするのも事実。愛情の描写は熱く、ロマンチックな雰囲気は醸し出されています。

運命のいたずら

この本のストーリーには完全に心を奪われました。琴音の運命が突如として変わる瞬間には息をのみましたし、ネイサンの複雑なキャラクターにも引き込まれました。ただ、文体が所々硬い感じがし、情感をもう少し深く描ければと思いました。それでも、「花盗人の褥」は思いがけないターンと異文化交流が織りなすドラマに満ちていて面白かったです。